
2022年11月18日にポケモンSVが発売されて、初めてのオープンワールド系の試みにユーザーはワクワク感が物凄い止まりません。
そんな最中に、マニアックな目線で専門家と一緒にゲーム世界を練り歩くゲーム散歩シリーズ。
今回はポケモンの生態系について、リアルの生物を参考に紐解いていくという学校で習いたい分野のテーマだった。
なんと言ってもパラセクトと言うポケモンの中でも珍しい、虫と植物が共生している生物がいる。
第一にその話題が出てきたので、この虫ポケモンについて知りたい人は是非とも見てほしい内容です。
植物科学者と行くアルセウスの雑草研究
今回のゲストは静岡大学農学部教授の稲垣栄洋氏。
きっかけはゼミ生の子にポケモンを題材にしてみては面白いでは?という発想で、よくぞ切り開いてくれたと言わんばかりに賛辞を個人的に贈りたい。
気になるワードや知らないワード、視聴した時の直接な感想などをつらつらと書いていくだけの内容なのであしからず。
稲垣先生ご一行、ラベン教授にご挨拶(2:00~)
- 図鑑を制作する分類学者
- 研現実世界での図鑑制作同様に、ポケモンの世界の図鑑を作っている人たちも様々だ。
- タイプによって専門家が違っていたり、研究結果が違っていたり、それらの結晶が図鑑なのだと考えるとゲームとはいえ感慨深い。
- メタ的に開発者が考えるわけだが、800種類以上のステータスを毎度考えるなど頭がおかしくなりそうな作業なので、最近の図鑑の進展が薄いことには同情的なのだ。
- そう見ると、オーキド博士がレジェンド扱いされてるのも納得できる。
- 研現実世界での図鑑制作同様に、ポケモンの世界の図鑑を作っている人たちも様々だ。

- 雑草はどこでも生えてるイメージだが・・・?(4:20~)
- 人の居るところ生えやすい理由は、自然環境を取り戻そうとする働きのため人間の住居地やインフレ整備した場所に問答無用で生えてくるのは本能だからとのこと。

- エスケープ雑草(8:00〜)
- 出口近くにあるアイテムボックスの後ろ側に黄色とピンクの雑草が生えている。
- 黄色い方はタンポポっぽいもので、登山でよく見かけるような品種だが、その横にあるピンクをもしかしたらエスケープ雑草なのでは?と推測していた
- 海外から日本へやってきた植物が、放置されたり逃げたりしたものが雑草化した状態のことを言う。
- 道路にも雑草は生えているのだが、轍のように真ん中だけに微かに残っているテクスチャがあった。ゲームユーザーはここを結構行ったり来たりしてるわけだが、そこに気が付く人はどれだけいただろうか?筆者は確実にあー昔の日本って感じがするって、適当に見ていたのは確かだ。

- 北海道で米を作るのは難しい。(10:30〜)
- 昭和の時代、「やっかいどう米」と評判がよろしくなく「まずいお米の産地」と言われた時代があった。気温が低くて稲の発育が遅かったり、うま味成分を蓄える期間が短く、食した人が不味いガムのようだと、寒冷地で米を作ることが合理的ではないと影の時代があった。
- 研究に研究を重ね、品種改良した「きらら397」の誕生により北海道米のイメージを塗り替えすきっかけとなった。
- 以前に、ゲーム散歩で北海道出身のTEAM NACSリーダー森崎くんが、天穂のサクナヒメのゲーム散歩で米について語っていたが、それらの歴史を踏まえるとだいぶ見方が変わるかもしれない。

- チリーンなどポケモンが村発展や開拓に役立っている(12:00〜)
- 基本はバトルとして用いられるポケモンだが、人間の生活を補ってくれたり手伝ってくれたりと戦いだけじゃない描写は物凄く多い。
- アヒスイ時代だと、まだモンスターボールも出回っておらず人とポケモンが距離を置いていたりと恐れの対象だった。
- 主人公や一部のキャラクターは理解を示して旅の仲間として用いてるが、村の中の人達は懐疑的で得体のしれない化け物扱いだったが、進んでいくうちに軟化していき捕獲をしたポケモンではないが、たまたま住み着いたからそのまま一緒にいるなど受け入れられてきていた。
- ものの運搬にはゴーリキーを使用したり、耕すならディグダを使ったり制御さえ出来ればかなり人の手を使わずに作業が捗る。
- 岩手県のアイドルとなっている「イシツブテ」が、開拓を手伝っている姿は縁の下の力持ちとして映える。

ポケモンのモチベーションとは何か?
ゲーム的な視点でいえば、ポケモンリーグというものを目指し頂点を目指す、道中で探検したり悪いことをしている人たちの野望を阻止したり、反面闘いとは無縁にインフレ整備の手伝い、貨物便の手伝い、ポケモンセンターの手伝いなど全てにおいて人間の都合でやっている、
ポケモン自身が頂点を目指したいとか、人間の生活を支えたいとかそういう思考はあまりないとは思う。
ゲーム散歩内でも言っていた、餌をくれて住むところも与えられるから一緒にいるとか、そばにいて褒めてくれるからとか答えを見出しにくい。
なぜボールで捕獲されたポケモンが、ここまで人間の指示に従うのか。リアルの動物とは似て非なるもの故に色々考えてしまう。

村の外へゲーム散歩(13:40〜)
- ハチの好きそうな紫色の花
- 今作だとミツハニーやビークイン、スピアーに該当するがスピアーはいない。
- ゲーム内に出てきた形状は、首が垂れているタイプなので下から潜って花粉に接触する。小さな虫ならばそうやって他の花のところに行って花粉を届けたりする役割ができるわけだが、ポケモンの場合どんなに小さくてもこの花より小さなサイズは中々いない。
- ポケモンは命の危機に瀕すると体を小さくできる習性があるが、虫タイプは植物に合わせてサイズを変えて運搬とかしてたりするのか。

- 紅蓮の湿地へ(15:20〜)
- カバルドンとか、ズルッグなど以下にもそういう泥まみれ気にしないといったメンツがいそうな場所。

- 蚊取り線香の原料は菊(16:30〜)
- シロバナムシヨケギクと呼ばれるキク科の多年草。殺虫成分のピレトリンが小房に含まれており、それらを練り込ませ渦巻状の固形にしたものが我々のよく見る蚊取り線香。
- 現在はピレストロイド製の殺虫剤が使われており、防虫菊の栽培は行われていない。
- 外注を寄せ付けないハーブなど、ホームセンターで見かけるが一個あるかないかでその時期の過ごし方が大きく変わると言っても過言じゃないほど、お世話になっている。

- 草見会へ行く時は、長袖長ズボン(17:20〜)
- アルセウスだと、土地柄にも合わせて厚着しているが、従来だと危険な土地行くにしては緩い格好していることが多いので、しっかりと着込んでいかないとやっぱ危ない。草むらとはいえ、肌が傷付いたら嫌だなって毎回思っている。
- モンスターボールの原材料(18:20〜)
- ゲーム内でぼんぐりの実と呼ばれるきのみが登場するが、モンスターボールが量産化される前はこれを原料として手作りしていた。
- 金銀の時代にガンテツ製のモンスターボールと一部のマニア好まれた希少なボールが存在するが、基本的にポケモン用の食べ物だったり飲み物に使用されている。
- ポケモンを捕獲する際のアイテムだが、モンスターボールで小さくしたのではなくてポケモンが小さくなって収納されたと指摘される。パソコン同士の転送もボールに備わっている機能ではなく、ポケモンの能力の一つでこだわりの設定が見られる。
- しかし、捕獲率の影響はあるとはいえ未確認のポケモンすらも封じ込めたり、ダイマックスなどの特殊な状況にも対応できたりとボールのポテンシャルの高さも見逃せない。

- モンジャラの中身?(19:10)
- 中身が謎なポケモンの代表格で、ナゾノクサ以上に謎な存在。999の車掌さんやFFシリーズの黒魔道士のようなミステリアスなところがポイント。
- 蔓部分は清涼感のある独特な香りがしたり、ガラル地方で一部の地域でハーブとして用いられたりと食用できたりする記述があるが、実際にポケモンを食べるっていうのは極力控えており、体の剥がれ落ちた一部を活用したり、分けてもらったりするのが基本。
- ポケモン同士が食べたり食べられたりはあるが、豚ポケモンだから焼いて食べるは無い。それゆえに肉はどっから来たんだ?という疑問は尽きない。

- トウモロコシは宇宙人が落とした説?(28:00〜)
- イネや麦などは祖先となる野生植物があるのだが、トウモロコシの祖先が不明のまま。
- いつも煮て食べている黄色粒々部分は種子で、当然これが何かしら地面に落ちたり風で飛ばされたりし増えていくのだが、厚い皮で包まれているため種子が自然にばら撒けることは難しい。
- 中米原産で発見されたためか、マヤ文明をかけて宇宙人との関係があるのでは?と都市伝説が膨らむくらい謎の植物。
- 数多くて美味しいコーンだが、他者の力なくしては子孫を残せないと考えると、トウモロコシの見方が少し変わるのかもしれないし、そのままコーンスープずずるのかもしれない。

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本作の主役パラセクト(29:10〜)
- パラセクトの概要はこちら
キノコを背負った虫型のポケモン、進化前もパラスという小さなキノコと共生関係にある。
カサには毒の胞子を撒き散らしたりと外敵に対して攻撃を仕掛けたりするが、この奉仕を利用して漢方薬にできる。
環境により出来が大きく変わるため、湿気の少ないハワイを舞台にしたアローラ地方では質が悪いと評判が良くない。

パラスは共生関係にあったが、パラセクトになると虫側の目が白くなり、まるで操られているかのような状態になる。
図鑑によると、キノコ部分に完全に乗っ取られているため、虫側の方は○んでいると衝撃的な内容が綴られている。
個人的には進化を遂げたのに、肝心の虫の方が蔑ろにされてしまっているため、このポケモンに関しては色々思う節があるが、リアルの世界だとこの状態は割と普通だと専門家は話す。
- 冬虫夏草のようなポケモン

- 稲垣先生が見た瞬間に、パラセクトの目が○んでることに気が付く。ゲームボーイ時代から馴染みあるポケモンだが、当時白目になってたのはマジで気が付かなかった。
- 菌に感染すると日当たりいい場所に当たりたくなる。
- 菌が胞子を飛ばすための適切な場所を選ぶ用にコントロールされている。
- この共生することにより植物の免疫力や生長機能を向上させることをエンドファイトという。
- しかし、共生できない場合、自分にとってメリットがない存在は容赦無く切り捨てるシビアな世界観。
- 元々初代ポケモンの時点で、シビアなところはシビアだったわけだが、植物学としては当たり前なものを子供時代だった我々に教えてくれていたんだなと、多種多様なポケモン達だが、それらの元ネタを調べると勉強になることがいっぱいある素晴らしいコンテンツ。
- 虫側が可哀想じゃんって思ってが、そういう世界なんだと割り切れるが・・・どうしてもキノコを可愛がれって言われてもなんか腑に落ちない自分がいる。
ポケモン図鑑が脅してくる説
初代から続く図鑑だが、ライチュウのインド像やパラセクトの中国の話はさておき、子供達をびっくりさせてやろうみたいな内容があり、誘拐や遭難、研究していた学者が亡くなられた事件など物騒なものが多く。

10歳そこらの少年少女にそんな生き物と会わせていいものか?と、プレイヤーすら不審に思う。
アニメだと基本的にフレンドリーな描写が多く、図鑑も怖い内容はあまりない。
この怖い恐ろしいと思う内容は後付けになるが、アルセウスのヒスイ時代を元に制作されているため妖怪や伝記のような扱いになっていると思われる。
特に見た目や何してくるかわからないゴースト系など、超能力で人を浮かせてからかっていただけなのに魂取られると勘違いしたかもしれないし、自然災害に巻き込まれて多くの人が犠牲になった場所にたまたまいたかもしれない。ミミッキュの布の中見てあの世に旅立った人がいたらしいが、本当なら野放しにできない。
しかし、それらを含めて生態系がまるで違う生き物を元ネタにして、毎度毎度まとめ上げるのはすごいと思っている。
蛾と蝶の区別は実はあまりない説
昼に見かけるのが蝶で、夜に飛んでいるのが蛾と認識しているが、その逆も存在している。
先生も言っている通りに、フランス語やドイツ語には両者を区別するような単語はなく、一つの言葉として扱われていて、ポケモンのバタフリー然り、アゲハントとドクケイルのように華麗な姿と少し禍々しいような姿とイメージによって切り分けれている印象だ。

だから、アゲハントのような蛾もいれば、ドクケイルのような蝶も存在すると意外に奥が深い。この事からケムッソから進化してカラサリスになるかマユルドになるかで決定するが、両者の区別をしていないというのを考慮して、どちらに進化するかわからないって感じにしたと考えるとポケモンが面白く感じた。

元々ケムッソ自体がアゲハント要素を持ったタイプか、ドクケイル要素を持ったタイプの二種類がいて見た目は判別しにくいが、進化すると方向性がようやく判明する。プレイヤーとしてはたくさん捕獲してレベル上げて、ランダムに当てるしかないのでちょっとめんどくさいポケモンだったりする。
見た目の可愛さでポケモンGOで、帽子を被った姿出たりと扱いがいい方なのだが虫ポケモンの宿命か悲鳴を上げられてしまう不憫な扱いだったりとポケモンとはいえ、やはり虫はダメだとリアルでも嫌がられる場合もある。
こういう雑学見たいがために、今日もゲーム散歩を見るのでした。