Eastward -イーストワード-

スーパーファミコンのような懐かしさを感じるピクセルアートで描かれた世界。
海外のゲームはそういったレトロ風味なゲームのインディーゲームはよく目にするが、このゲームはともかく緻密でキャラクターが活き活きしている。

昨今にない炭鉱で働いている「おじさん」が主人公で、幼き少女を守りながら戦うというテイストと、このゲームのデベロッパーは「上海」と書いてありそちらの方のゲームをプレイする機会が無いので直感で触れてみた。
#中国の上海に拠点を持つ開発チーム「Pixpil」
2015年にプロジェクトを立ち上げ、三年の歳月をかけて完成させた。イーストワードは日本のアニメや「ゼルダの伝説」、「MOTHER」など影響を受けておりキャラ造形やシステムなどプレイしていくとインスパイアされていると感じる。当初は少数精鋭の三人での活動だったが、開発が進むにつれて12人と多くなった。
鳥のアイコンにしていて劇中も重要な場面に鳥を配置したりしているが、何か特別な意味や思想があるんだろうか?・・・普通に可愛い。
#ロンドンに拠点を置くパブリッシャーChucklefish(笑う魚ってことかしら?)
どことなくスーパーマリオに登場するテレサが恥ずかしがって、顔を隠すような仕草のアイコンがトレードマークのChuckle fish。主にレトロなスタイルのゲームを専門としている。
ハロウィン仕様でさかなちゃんが包帯を巻いている。あちらのkawaiiはこちらの可愛いと言う感覚は全然同じだなと微笑ましい。
(ここからプレイ日記。ネタバレはそこそこ。どちらかという個人的疑問が多い。)

主人公の一人「ジョン」。もさっとした髪型と髭、ダウンベストと世界を救う主人公という出立ちにしては庶民的。
ゼルダのハイラルの勇者としての宿命、MOTHERの超能力少年など任天堂の主人公たちは特別な存在として描かれているが、最後までプレイしても彼は「打たれ強い」けどどこにでもいるような「おじさん」なのだ。
強いていうならスーパーマリオのような元々配管工の仕事してる人だったが、ピーチ姫を救出を機に色々と出世したということもあり、彼もクリア後には世界的有名なヒーローとなってUSJに選ばれたりするかもしれない。
壊れて放置されたバスをホームにしてる貧しい生活。仕事の契約書が所持品にあるが、ブラック中のブラックのようだ。ちなみにこの作品で「女子力」がめちゃくちゃ高いのが「ジョン」である。

どこからパスタが出てきたかわからないが、ともかくスイーツや今夜の晩飯など軽々と作ってしまう。ここら辺の仕様は「ブレスオブザワイルド」のような感覚。
普通の回復アイテムも当然販売されているが、調理した方が色々と効果が期待できるのでめんどくさがらずに「男の料理」を披露しよう。お母さん食堂がなんか言われていたが、お父さん食堂でもいいじゃないか。

セーブポイントが冷蔵庫に記憶を凍結させるという面白さ。どうやってるのかわからないが、そこをセーブポイントにするセンスは素直にすごいと感じる。
(ゲームのセーブの仕方さまざまだけど、どうやって残しているかって結構謎要素っすよね)
クリア後に画像を見たら、そういやジョンの家の横にフラミンゴみたいな鳥がいる。意味があるというよりは・・・インディーゲーム「アンダーテール」などで見せた「いぬ」みたいなものだろう。アートディレクターとか開発者が好きだから置いたとかそんな感じ。

モブキャラクターの濃さと、使い回しのなさはすごいと思った。どの街行ってもモブキャラには名前があり、それでいて設定もしっかりあったりと街を探索する楽しさがある。
MOTHERシリーズでも「3」の要素が強く感じられ、多少はかぶりがあるかもしれないがかなり凝っている。なんかジブリのあの方のような人がいるが、ジョンの造形といい「ジブリ」っぽさも感じられた。
おじさんと少女っていう組み合わせが、まさにそんな感じ。

武器が先程調理に使った(であろう)フライパン。武器であり生活必需品。
炭鉱夫なので、爆弾やカッターなど使ったりするが基本はフライパンであり、一応剣なども存在するが彼は何がなんでもフライパンで戦おうとする。料理人としての意地なのか、寡黙な彼は一切語らない。
(不満があるとすれば、もう少し彼の背景が知りたかったなという点)

このポットクロックという地下世界では学校がある。だが、ヒエラルキーで低い子は「扱い」が悪い模様、いじめの現場であるのだが「先生が思い切り目の前にいるのに」無視しているのが、権力と保身のためと情けない。
真ん中の金髪のすごい髪の子、スネ夫みたいな金持ちボンボンだと思ったら「女の子」だった。
純粋っこ(珊)といじめっ子が後々仲良くなって親友レベルになるというお約束は・・・なさそう。

こういうクラスを見ると中国っぽい感じがする(勝手なイメージだが)
あの上にある視力検査のアレとかどこかで見たような?

女子のトイレの地下にはドラゴンが住んでるのか・・・花子さんとか地域密着幽霊とかレベルが違うバケモンがいるんだな。。。というか女子トイレ普段から封印されてるけど、男子トイレ共同で使ってんのかしら?

便器のところがなくなって大きな空洞になっていたが、用を足すところだがカラフルな洞窟。でも、匂いがすごいのだろうな。食っちゃいけない「きのこ」🍄あるし。

そのトイレの奥底で普通に囲まれてボコられて初ゲームオーバーしてしまう。ここら辺は思い切りMOTHERっぽさ出てるっすね。
(連れて歩く珊にも当たり判定があるので、結構邪魔ってなりがちなところがある。愛らしいし、物語上必要な存在なのだが、囲まれたりするとどうしてもどこかに置いて一人で集中したいって部分が多い。嫌ってませんよ、戦いの種類によっては邪魔になる場合もあるということっす)

紫髪の少年に意地悪していた三人組だが、珊と険悪な仲の割にはあだ名は可愛いものだった。
やっぱりこういう滑り台や鉄棒など一つ一つの色合いって「あちらの国」らしさってイメージ。カラフルなんすよね。細かいアートですわ、ここの場所なんてほぼこない場所なのに。

近世界ゆえに外の世界など無いという認識、なので珊が外の世界を見たという嘘をついていると冷たい目で見られる。耐えきれなくなった珊は「ジョン」の仕事場の坑道奥に行って外の世界があるのを証明しようと飛び出す。

珊を追いかけるジョン。同僚の情報で禁断の地へ行ってしまったことがわかる。なぜか冷蔵庫とコンロがあるが、この世界至る所にセットで置いてあったりする。
水が出る蛇口やトイレの蓋など操作することも可能だが、出しっぱ開けっぱにできるだけで特にない。んー細かい!

珊が行方不明になってからの捜索。ここから謎解き要素が増え出し爆弾をフライパンで飛ばして扉を開けたりなど頭の体操が始まる。
男臭い世界観だが、ご安心召されよ。旅の道中で「お?」っとする部分がきちんとあって特にアサガオちゃん登場で何かへんな世界に目覚めるかもしれない。子供は入っちゃいけない空間なのでご安心。

昭和の少しエッチな感じなのが素晴らしい・・・のだが、結構「なぞ」だったりする。
色々意識しなきゃいけない時代だけど、平等謳うならこういうイベントはしっかり入れるべきだと思うので、次もお願いします!
次回へ続きます。
#めちゃくちゃ親切設計なイーストワード

イーストワードで詰まったことがあった場合。例えば爆弾を飛ばすなどのやり方を忘れた場合、ステータス画面で確認がすぐにできる。
また、マップなどどこに行っていいか迷った場合など「ログ」が残り、目指す場所などもわかりやすく示してくれる。
ピクセルアートの細かく描かれた世界観だが、ユーザーにもとても操作しやすい環境であり、ゲームの難易度もそこまで高くない。先程述べた「珊」が巻き込まれやすいなどノーダメージはハードルはあるが、回復アイテムの豊富さ、お金も溜まりやすいので「詰まる」ということは・・
ほぼ無いのでは無いかと思います。

珊とジョンを交互操作して突破するステージが非常に多いので、たまに頭が困惑することこそあったが、ここらは基本一人で攻略する「ゼルダ」系と大きな違いであり慣れてくると楽しい部分でもあったりする。
そのゼルダの伝説のダッシュとか欲しかったなぁって思う。もう少し移動が早ければなぁって、感じる部分もあったので次回作イーストワード2的なものがあるならお願いしたいです。
#問題点#
自分はNintendo Switchでプレイしているのだが、頻繁ではないがエラーが発生しやすい。
それも結構重要なポイントで「これから」物語が盛り上がるって矢先に起こりやすいので、かなりやる気が消沈するマイナスポイント。

幸いにもオートセーブが入っているので、最悪なケースは間逃れる。すごい遠くからやり直しってことはないのでそこは安心なのだが、出来ればボス戦が終わった後にエラーってのは勘弁願いたい!
聖剣伝説2を思い出しちゃうから!!

ただのおじさんが世界を救うRPG「イーストワード」
お値段の割にはかなりボリュームでした。MOTHER好き、スーファミ「ゼルダ」が好きって人にはオススメのゲームです。
・・・おじさんって言ってるけど見た目がそうなだけで、若いかもしれない。
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Pixpil Games © 2021. Published by Chucklefish Games.Pixpil Games © 2021. Published by Chucklefish Games.
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