
誰も知らない金と銀の世界をかけろ!
劇場版ポケットモンスター第3作、ゲーム版に登場したジョウト地方を駆け巡る伝説の炎のポケモン「エンテイ」と、アルフの遺跡にて文字の姿をしたポケモン「アンノーン」と、とある少女のお話。
ロボットアニメ「宇宙戦士バルディオス」、「魔法のプリンセス ミンキーモモ」などを務めた脚本家「首藤剛志」氏の最後の映画作品。上記の作品など独特なエンディングを迎えていて、ポケモンも人間VSポケモンの全面戦争のような構図があったように、当時自分を含め「子供」達にはこういう風に虚構にとらわれたままじゃいけないという、どこか使命感があるようなメッセージ性・思いが感じられる。
今じゃ放送できないよね?と問われる漫画やアニメは、ただ残虐性など趣味趣向で行っているわけじゃなくて、社会にたいして思った感じたことを共感させようとする、訴えようとする。
もしかしたら、ポケモンはそこでしっかりと終わってしまい、コンテンツも今ほどじゃなくマリオやカービィたちと肩を並べられるような存在に「ならなかった」かもしれない。
ポケモンの能力で現実を受け入れられなく、ひたすら虚構で「家族」を作り籠ったまま帰ることができない。今までの世界が滅亡するなどに比べたら、大きな話ではないが「ミュウツー(自己存在)」「ルギア(共存)」と続く大人も子供も考えさせられる話なので、見て損はないと思います。
サトシの母親の「ハナコ」が、前作以上に重要人物としてあがるためそういった点でも面白いと思う。
謎の存在文字通りの「アンノーン」

初登場のポケモン金銀内、それどころかポケモン界でも謎中の謎の存在「アンノーン」。ポケモンで捕獲も可能だが、およそ戦闘に用いられるようなものではなく、「目覚めるパワー」一択で6種類の「めざパ」で突破は可能かもしれないが、ネタの範囲でしかない。
さらにラテン・アルファベットをかたどったような文字をすべてコンプリートしても自己満足レベル、「メルタン」やジガルデのように複数が集まって最終進化型になるわけでもない。
文字通り言霊が宿り、何かメッセージを伝えたいがために存在しているのかもしれない。

だが、やはりというべきかそこはコレクター要素の強いポケモン界隈。一匹いれば図鑑は埋まるわけだが、A~Z+!と?の28種類、なぜだかコンプリートしたくなる魔力を秘めている。さらに味をしめるとアンノーンの色違いまで手を出してしまう始末。ビビヨンやパッチール、メテノなど模様やカラーの違いをついつい求めてしまうもの。(パッチールに関しては一人じゃどうしようもないし、人生を全部使っても無理)

見た目もシンプルで、収集しがいのあるやり込み要素なアンノーンだが2000年の劇場版でまさかこんな使い方をしてくるとは思わない、おもしろい試みであった。マイルドだが、膨大な数アンノーンとエスパータイプゆえの超能力を使ったイメージを具現化する能力、人を無意識に闇へと誘うそのホラーテイストな扱い方は「よくわからないアンノーン」ならではで今作の見どころ。
というか、ENTEIの存在含めて最初から最後まで、アンノーンに振り回される話である。古代から生息するだけあって伝説のポケモンと扱いは大差はない。
ENTEIを観ての感想
最初に思うが、「ルギア」以上に手持ちのポケモンで、困難を突破する流れが良い。ジョウトの御三家を手持ちに旅パのように要所要所で活躍してくれる。特にワニノコはやっぱし可愛い。
御三家の中でダントツに好きで、進化系含めて全部好み。
アニメの地続きの作品なのに、手持ちを最初のバトル以外あんまし使わないことが多いし、基本的に映画って対人バトルが肝じゃないせいか、お披露目程度で特に活躍しない。推理がメインの名探偵ピカチュウなど推理がそこそこでアクション強めな映画ならではの構成。1時間近くも推理シーンいるか?って言われるたしかにいらないっすね!
何気にサトシのヨルノズクって色違いだったの忘れていた。
メインのミーちゃん(矢島晶子)は、5歳ながら父親が不在の間本を読んだりして知識を吸収していたのだろう、イメージで作り上げられたミーだが、ポケモンバトルはサマになっている(事情を知ったタケシやカスミは手加減した感はある)。5歳児で矢島さんだから確実に「サイタマの風雲児」を思い出すが、あの子とは違い少女役、カスミと同じくらいの10歳くらいの女の子、本来はタケシがナンパしそうなくらいの美貌の18歳の娘としっかりと演じ分けられている。
「しんのすけ」のイメージが強いせいか矢島さんっていえば!な話だが、アニメファンからすると「しんのすけ」の方が珍しい声質だから、ミーの方が良く聴く方だ。
モココ、ヒメグマ、ゴマゾウと可愛らしいポケモンという最中に、キングドラと本気出してくるあたりが、将来が楽しみな存在である。ゲーム内でも「園児」など小さい子がバッジを持ってるのかどうかわからないが、「指示」をちゃんと聞いているところをみると、プレイヤーよりもすごい存在なのかもしれない。
「ENTEI」と父親役の「ジュリー博士」には竹中直人さん。相変わらずの渋い声でカッコいいが終始厳しい顔をしているENTEIは、笑いながら怒るなど器用なことはしなかった。
こういうポケモン映画に配役されるゲストさんて、地上波だとなんのドラマに出てたのかなとか、この当時の他の映画で何に出てたのかな?とか調べたくなる。ウォーターボーイズに出てたのこれの後だったのか。。。

主人公サトシたちが出るまで、結構長い。ミュウツーなどもそうだがあのくらい雰囲気のまま、子供はじっと集中して視聴している。そして、その子供が大人になって思い出の作品にあげられる。物語への引き込み具合は抜群に良いという。
そして、エイパムをパートナーにしている最初にバトルしたポケモントレーナー「リン(加藤あい)」、ルビーサファイアに登場した「ハルカ」のような赤いバンダナをした女性。手持ちが、
エイパム、グランブル、マンキー、キリンキリ、バタフリー、ヌオーと面白い旅パの組み合わせ。
何気にゲスト達手持ちが偏りがないバランスが良い組み合わせ。だが、進化系を使っているにも関わらずピカチュウ達未進化組に負けたりと「どこか足りない」部分と、進化すればかならず勝てるというわけではない。
常連さんの山寺宏一さんは、執事のデイビットと脇役中の脇役。「ミュウ」、「ルギア」と来て執事が来て、今度は序盤だけのポケモンハンター。ENTEI演じられてても不思議じゃない感じだ。

最大の目玉は、リザードンが窮地を救いにやってくるだろうか。
捨てられたヒトカゲを保護して、仲間として出迎えバトルをこなし着々と力を付けていくがそれに伴いゲーム同様にサトシが力不足すぎて「指示」を聞かなくなる。しかもその期間が割と長いせいか、このまま喧嘩別れでもするんじゃないか?(そんなわけないがw)とやきもきした。
紆余曲折経て、サトシを絆を育み再び信頼を取り戻す、更なる強さを求めるためリザフィックバレーで修行をするため分かれたが、劇中にてテレビのニュースを見て文字通り「飛んでくる」。
頭にリボンを付けたリザードンに一瞥し、彼は高速で現地に駆け付けるのだった。。。テレビを見た程度でミーの家やグリーンフィールドとかなんでわかったんだろ。直感だろうか?
今作だとロケット団の三人組は前作のような感じではないが、サトシがガチで危ない時に助けてくれたりと腐れ縁は忘れない。なんやかんやで「人殺し」には否定的なスタンスなのは変わらないニクイやつ。
偽の存在だが、エンテイと謎の存在アンノーンを題材にした金・銀「ジョウト地方」の世界ならではの作品。

散り散りにジョウト地方を駆け巡る彼らを探すのに非常に苦労した人、多いことでしょう。
だからこそ、次の
劇場版ポケットモンスターセレビィ 時を超えた遭遇(出会い)を観て懐かしむ。
に出てくるスイクンなど、思い入れがある作品を絶対押さえておきたいという思いが出てくる。
https://www.pokemon-movie.jp/history/
アニメはもう今から見るとなると難しいかもしれないが、映画で動く「ポケモン」を観て過ごすのもいいかもしれません。面白かったです、98年~2002年まで一通り見ました。次はどれにしようかな?
同時上映のGEOかTSUTAYAで借りないと見れないなぁ~。この作品ほどポケモンを頭からっぽにしてみる映画なのに、必ずみなきゃな。
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