自分はどこにいるのか
なぜ、このような奇行に走るのか
全ては夢だ、だからどんなに残酷な結果も覚めたらなくなる
だが、本当に夢なのか?全てが何もない空間から生まれた世界だったのか
--覚めない悪夢
このゲームの概要をご説明いたします
「Neverending Nightmares」、日本では「ネバーエンディングナイトメア」として知られるこのサイコロジカルホラーゲームは、インフィニタップ・ゲームズの手によって生み出されました。
2014年9月26日、SteamおよびOuyaでのデビューを果たし、その後PlayStation 4、PlayStation Vita、Nintendo Switchにも登場しました。
この作品の背後には、製作者であるMatt Gilgenbachの深い感情と経験が刻まれています。
彼は制作中に過酷な環境と経済的な困難に直面し、持病の強迫性障害とうつ病が悪化。この病的な状態での彼の実感が、ゲーム内のストーリーに織り込まれています。
彼の以前の作品「Retro/Grade」は、大きな期待と多額の投資を背負いながらも、売り上げ面での成功を収められなかった。
その挫折から、「Neverending Nightmares」は彼の“最後の作品”として、自らの夢と現実をテーマに制作されました。
---エドワード・ゴーリーの作品からインスパイア
エドワードはアメリカ出身の絵本作家
その独特な世界観が多くのファンを生み出したのだよ
彼の代表作『ギャシュリークラムのちびっ子たち』は、アルファベット順の子供たちの名前と、それぞれが遭遇する不運な出来事をユーモラスに描いています。
、『うろんな客』では、家族の日常に突如現れる不思議な生物の姿とその影響を、緻密な筆致で表現しています。
『題のない本』は、作家の創作過程の苦悩をリアルに綴り、『優雅に叱責する自転車』では、人間のような自転車が他者を風雅に叱責する、斬新なストーリーが展開されています。
ゴーリーの作品群は、韻を踏んだ文章やモノクロームの線画が特徴となっており、ダークかつ風変わりな世界が展開される。
これらは大人も楽しめる絵本として評価されており、そのユニークな物語性が多くの読者を引き込んでいます。彼の持つ独自のスタイルは、絵本愛好者やユニークな作品を求める人々にとって、真に魅力的なものとなっています。
白と黒のペンシルで描かれた不気味な世界
だんだんと読み手を不安にさせる手法は、しっかりとこのゲームに活かされているよね
少々補足です
鉛筆やペンを使用したようなユニークなグラフィックは、Gilgenbachが子供の頃に親しんだエドワード・ゴーリーの絵本や、ゴーリーが手がけた『Mystery!』のオープニングアニメーションの影響を色濃く受けています。
本作の美術部分にはJoe Grabowskiを筆頭に、他にも二人のアーティストが関わっています。
このゲームの中で感じる心理的な恐ろしさや、敵キャラクターが象徴する主人公の深層心理は、Gilgenbachが特に怖いと感じた『サイレントヒル2』からのインスパイアを受けています。
また、『Amnesia: The Dark Descent』のようなゲームや、映画では『シャイニング』、アジアのホラー映画『呪怨』、『回路』、『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』などが影響を与えています。
さらに、ノンフィクション『恐怖の心理学―あるいは心の矛盾』や、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品も彼の創作の背景には立っています。
---実際にプレイ
ここからは、このブログ恒例のグダグダと考察交えてのプレイだ
今回はシャチョーと私だけだね
AIのブルネットもいるからな、前よりは詳しく書けてるかもな
気になるところがあれば質問してください
操作は実にシンプルだ、彼を動かしていくだけ
プレイ時間もそれほどかからないようですね
この物語は、悪夢に囚われた主人公トーマス・スミス(演: Josh Grelle)の冒険を中心に展開しています。
彼は自らの心の奥底を彷徨い、恐ろしい夢の真実にたどり着こうとします。物語は、トーマスの目の前で少女が口から血を流す場面からスタートし、その後、彼はさまざまな夢の世界を探索する旅に出ます。夢の中で彼が目覚めるたび、新たな夢の風景へと移行し、真実の世界への帰還を目指します。
彼の夢の中で重要な役割を果たすのはガビィ(演: Elizabeth Maxwell)。
彼女はトーマスの夢の中で、彼の妹、妻、娘、さらには彼の精神科医としても姿を現します。ガビィとトーマスの関係は、物語の核心部分として描かれています。ガビィの夢の中でのさまざまな役割は、トーマスの精神の中での彼女の象徴的存在を示していると、ゲームの製作者であるGilgenbachも述べています。
エンディングについては、Gilgenbachは明確にその意味を語ることを避けています。
彼の考えでは、エンディングの意味を明示的に語ることは、プレイヤーの解釈の自由やゲームの魅力を損なう可能性があるからです。しかしながら、彼はゲームには3つの異なる結末が存在し、それぞれが異なる現実の解釈として描かれていることを認めています。
断片的に散りばめられたワード、そして、なぜこのような結末になったのか
全てはプレイヤーの想像に委ねられていて
すごい、びっくりさせられるホラーというテイストじゃない
ただただ、不気味で不安になる空間を歩かされる
人によっては意味がわからないまま、考察を投げ捨ててこのゲームを評価するだろうな
んー、やっぱメンタルで苦しんだ経験とか、そういうことに携わった人じゃないと
共感は得られにくいんじゃない?
0から悪夢を見るとは考えにくいものです
製作者様が様々に配置したものには、何か意図があるのかもしれません
そうだね、例えばこの自傷行為は
手を無くしたほどの何かがあったんだよ
んー?人を手にかけたとか
いきなり、手を入れてミンチにするという衝撃が大きいけど
これが夢であるのなら、過ちや償いなんじゃないかなって
今度は、腕の中をズタズタにしているな
私たちってプリティな売りをしたかったのに、すごいゲームをレビューしてるな
犯罪をする腕ならばさっきみたいに使い物にしちゃうのはわかる
そうだな、腕を切り落とすなど犯罪はもうしないって意思にも見えるからな
でも、なぜ中をほじくり出すようなことをするのか
こう言っちゃあれだが、中になんもないしな
ブルネットわかる?
申し訳ありませんが、私は医師や心理専門家ではないので、診断や治療に関するアドバイスは提供できません。
---クリーチャーの存在
このゲームのホラー担当といえば
この不気味な巨人だよね
ああ、直前にバイオとかやってると見覚えがあるような感じもするがな
シャチョーは何に見える?この子
無邪気なでっかくなった赤ちゃんとか
え?赤ちゃんに見えるの?
まぁ、トロールとかそういうのを想像したが・・・
他のと違って、改めて思うがこの怪物は悪意がない気がするな
それこそ、歩きたての赤ちゃんのような無邪気さがある気もする
推測するに、主人公のトーマス様のお子様とかでしょうか?
なるほど、私は妹の子供だと思ってたよ
二人の子供ってこと?
それは早計じゃないか?
例えば、妹の子供を事故で亡くした、その原因がトーマスにあるとか
そもそも、ガヴィって妹なのかな?なんか曖昧なんだよね
恋人ならいいが、妹が奥さんとか色々と超えちゃってる話にもなるぞ、これ
次は、両手を縛っている男だね、なぜか失明もしている
さっきの両腕を痛むつけたトーマスの成れの果てとか考えちゃったよ
自分が、自分に対して攻撃している・・・?
これがお父さんって考えにくかったからな
みたく無いものがある、触れたくないものがある
自分を罪人だと思っているわけか
そして、最後は急に襲いかかってくるトーマスだね
すでに血がついている・・・
このかたはどうすれば救ってあげられるのでしょうか
私どもの知識には解決策が見当たりません
んー、これは本人が前に進んで行くしかないんじゃないか?
悪夢って当事者をいじめているようなものじゃない?
本当にこの世界からいなくなりたいなら
悪夢で悩まないと思うのだよ
これもまた、製作者が前に進めたように彼も進める日が来るかもしれない
そう考えると、ハッピーエンドはわからないが、可能性はあるかもな
キーパーソンである彼女に何かをした
もしかしたら、それは道徳に反することかもしれないね
両親が出てこないことから、信頼できる人間は彼女のみかもな
そんな彼女を傷つけなきゃいけないほどの、何かストレスがあったと推測してもいい
このゲームは、クリアをしての達成感より
こうして、皆様と意見を交わしながら考えていくのが
このゲームの魅力なのだと思われます
若干、こういった心理的な病を題材にしたゲームを「面白い」っていうのは抵抗があるんだよな
だが、私もその意見は面白いと思う
こうやって、なぜこういうことをしたのかを考察することが良いのだろう
・・・・もしエンディングで謎が解けたり
真実が判明するのは、すっきりしないがこのゲームの評価を大きく落とす気がする
答えは、わからないままがいい、不思議な答えですね
この主人公はいずれ「起きる」、起きなきゃならない
今は、エンディングという名のリセットを迎えても
いつか来る現実を受け入れなきゃいけない
彼はそれを「永遠の悪夢」と称するかは目覚めた後の話だね
- 参考サイト
- サイト名: AUTOMATON
- サイト名:ネコショカ
- タイトル:エドワード・ゴーリーの邦訳全作をご紹介!
いつものお知らせ
毎度、ここいらでお知らせ入れさせてもらいますわ
『不幸な子供』は、エドワード・ゴーリーによる邦訳第4弾の作品で、主人公シャーロットの不幸な人生を描いておりますわ。この本は、一般的なハッピーエンドとは一線を画し、不幸が積み重なる独特のストーリー展開がされております。それでも、その不幸があまりにも徹底しているため、読者は逆に笑いがこみ上げてくる、という不思議な魅力がありますんで。
緻密なペン画で描かれた作品内には、トカゲとコウモリが合わさったような怪しい生き物がちらほらと見え隠れし、その存在がシャーロットの不幸を見守っているかのようですわ。
著者エドワード・ゴーリーは、1925年シカゴ生まれで、多くのユニークな作品を発表しております。訳者の柴田元幸さんも、翻訳文化賞などを受賞した実績のある方ですわ。
興味がある方は、この型破りなお話をぜひ手にとってみてくださいませ。
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