前回からの続きでホワイトベースから外に出たOMORI達からスタートする。
前回の記事はこちら
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精神科医と行くインディーゲーム「OMORI」の世界を見る【1】
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名越先生の語る言葉の数が豊富だから、ゲームとしては進みは遅いのだがその分新たな視点での発見や、深い知識を知ることが出来たりと濃厚な内容だ。
筆者は一度クリア(真エンディング含め)しているが改めて見ると、セリフの節々から感じる違和感がこういう意味を示唆していたのかな?と考察できる。
例えば、序盤のオーブリーが入り口から抜けられない場面でケルに頼むのだが、意地悪した結果怒らせてしまうといった内容だ。
「ふざけてないで早く来いよ、ケル」
なんてことないイベントで仲の良さ故に、普段の言葉使いが取れて少々乱暴な言い方になるのだが、彼女の内面がよく出ている重要なセリフだったんだなと気が付く。打撃型のスタイルなので、流行りの物理系ヒロインとして見るには十分だが、リアルワールドから引用された彼女の性格が影響されていて、今オーブリーは「ああ、なったのではなくて」昔からそのケがあったのではないか?と捉えられる。
名越先生の動画の感想ブログですが、少しネタバレも含まれているのでご注意ください
アルバムをみよう
切り株から下の方に向かうと公園があり、人ではない生き物が遊んでいる。
これらのNPCは実はリアルで重要な人物だったりするので、照らし合わせると面白い。
ピクニックで見られるアルバムはホワイトベースのOMORIが描いたであろう日記とは違い、友達と一緒に仲良く遊んでいる非常にほんわかした内容だ。
ピクニックのお姉さん「マリ」
本作の冒険でどこでもピクニックをするセーブポイント兼回復ポイントを担当する「マリ」。みんなのお姉さんでかなり慕われている。
割と早い段階でOMORIに似ていると指摘されていた。
「もう、ヒロくん!そんなことで落ち込まないの!責任感、強すぎだよ」
年長者ゆえに人一倍責任感を感じるが、昔から「お兄ちゃん」と言うカテゴリーに悩まされ続けてきたんじゃないかと推測。
「そういうところが好きなんだけどね」
二人の男女の甘い恋心とも感じるが、かなり残酷な表現でもあるなと感じる。
アルバムをみよう
バジルのことを新○宗教と表現する怪しさを感じた名越先生。
「瞳孔が開きかけていた」
もしかしたら、すでに闇を抱えていると察しているのかもしれない。
絶対何か写ってるでコレ

バジルの得体の知れない何かを感じ取り、アルバムへの警戒する先生。
アルバムを見せたがらない理由、自分を信じて見ると吐露するバジル、彼が過去を思い振り返りたくないと葛藤していると意味深のセリフを結構話しているが、この時点ではただの気の弱い子としか映らない。
このことで名越先生もトラウマを引き起こしてしまう。貧乏くじ引きやすかったんですね。
指の描き方が上手
一番見ているはずの手を描くのが苦手だったりする、人間の部位の中で一番複雑でさまざまな形を持っているからだ。
綺麗に描こうとしても関節を理解せず、適当な指の長さにならないこともある。指をひとつひとつ丁寧に描けるということは、他の体も丁寧に描ける技術を持っている。OMORIのイラストレーターさんの繊細さも人気の一つだと確信する。
OMORIだけ白黒
彼だけは思い出のアルバムの中でも色がない。
どこか、そこにいるようでいないような不安定な存在で曖昧だ。ここに居たいのに居たくない。
公園内の不思議な生物
パズルが好きなネモ、おトイレじゃなくてお花をつんでいるデイジー、草むらに寝っ転がっているレンとショーン、「永久不滅のバナナ」、一番やばいと言われた「シャーリーン」(知能的に問題のある怪物と評される)、驚かすだけのジョーカージャッシュ、メガネをかけたベルリー、大きな巨体のヴァン、隠れる気がないマエガミ、ぼよよーんのハッピー、大声出すマユ、寝ているミカル、おダンゴのオダンゴ。
ベルリーがOMORIのことを親友と馴れ馴れしい態度で接するが、リアルだとどうなのだろうか?この二人接点があまりない印象だったが、親友まで深い仲じゃないが、実は仲良かったと見てもいいのかもしれない。
反面ケルには遠慮なくツッコミを入れるので、この二人も犬猿の仲のように見えて意外と仲が良いかもしれない?
OMORIは一人が嫌だ
ベルリーのかくれんぼイベントで判明するOMORIの内情。
主人公の過去や性格は、この時点では不明。RPGでこういった内面を教えてくれるのは珍しいことだ。
無表情で何を考えているか、分かりにくいが寂しがり屋としてみんなに伝わっている。
いやだったらぼくが代わりにやるよ
バジルが何かと人に遠慮したり、代わりになってあげるなど献身的な面を見せる。
隠していたものを探す、または探されることに何か意味を示唆したイベントだった?と考えてみたが、考えすぎだろうか?
ボスというボス戦
おこりんぼのサイのようなデザイン

初の戦闘で初のボス戦。背景といいユニークな敵といい、本当にMOTHERシリーズを彷彿とさせるデザイン。
しかし、意外と戦闘はシビアで感情をいかにコントロールできるか、ガチのアンガーマネジメントが試される。
ボス戦でいきなりOMORI以外は全滅してしまうイベントが発生するが、その際キャラクターが倒されるとトースト化する現象がある。
意味は「破滅」や「次は無い」などスラングで使われているらしい。アメリカのゲームだからこその表現で、教えてもらわないとまったく意味不明なだ。だが、こういうのを知れるのが、インディーゲームのいいところだと個人的に思う。
精神科医と旅するOMORI動画はこちら
第二回目は考察というより、世界観の感想が割合を締めほのぼのとゲーム散歩を楽しむといった内容でした。
プレイした人はご存知の通り、本格的にキャラクターの内面を知ることになるのはリアルに戻った時なので、異世界は異世界、現実は現実として両方を楽しみつつ、名越先生の面白トークを満喫しよう。
さすがに、全クリまでは難しいしRPG部分が非常に長い。さらにはゲーム実況さながら朗読するので通常の倍以上かかることになりますが、できる限りのボリュームでプレイしていただけたらなと思います。
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